漫画荒雑録谷口ジロー著　「ハンティング・ドッグ／可愛い死神」　全1巻

漫画の記録と感想

谷口ジロー著　「ハンティング・ドッグ／可愛い死神」　全1巻

◆谷口ジロー著　「ハンティング・ドッグ／可愛い死神」　全1巻
　　廣済堂出版／廣済堂コミックス／1985年6月20日初版

　

麻薬中毒者（ジャンキー）や淫売たちがたむろする未来都市（メタルポリス）
そう、俺はそんな悪臭あふれる無防備都市で稼業する、
しがない探偵屋リカオン。

Vpl.1　「巨人は激しく倒れる」　Vol.2　「野獣たちの苦い夜」　Vol.3　「可愛い死神」　Vol.4「　依頼人は奇妙な仔猫」　Vol.5　「44口径のハート・ブレイク」　Vol.6　「メタロポリスの蒼い虎」　Vol.7　「殺るか殺られるか！」　あとがき：谷口ジロー

★★★★★・・・・・（5/10）

本の整理をしていて出てきた漫画です。

2016年に亡くなった谷口ジロー氏のSFハードボイルド漫画です。

本作は漫画「エロトピアデラックス」に1980年～1982年に掲載され1度単行本化されているようですが、著者の人気に伴い再度の単行本化と思われ、同年には竹書房より「無防備都市（1978）」が「暴力街２１分署」の名前で再度の単行本化もされています。

最終話の「殺るか殺られるか！」が他の作品と絵柄が違いますので、もしかしたら書下ろし（もしくはかなり後で描かれた）作品なのかもしれません。

一応はブレードランナー的な世界観漂うSFですが、主人公の探偵が卑しき町を彷徨う姿はオーソドックスなハードボイルドの物語。

古典的なハードボイルドの小説や映画、関川氏原作の「事件屋稼業」の要素が満載です。

後の「地球氷解事紀」「イカル」などのSF作品の切っ掛けとなった作品だと思いますが、だからと言って、谷口作品として面白いか？と問われれば正直微妙です。

巻末には珍しく著者のあとがきが掲載されていて、フランスの漫画家メビウス（ジャン・ジロー）への想いが語られています。