◆松森正 「バッドブラッド」 全1巻 徳間書店/トクマ・コミックス/1988年6月1日初版

スリランカへの永住計画のため、蝶のシールに浸みこませたコカインとLSDと漢方媚薬の配合比…そして嘘を突くハッタリ演出で麻薬のフラッシュバックを起こさせ、考えるヒマを与えぬ手際のよさで大金を巻きあげる4人組。
その4人組は母親を頭にした本当の家族。
母親と父親と息子と娘、悪い血脈。★★★★★・・・・・(5/10)
バブル景気真っ只中の1987年に「コミックバンバン」に掲載された狩撫作品。
浮かれた世の中、豊かさが問われ、物の価値感が揺らぐ中、法の目をくぐり悪党どもから大金を巻きあげるアウトローたちを描いたピカレスク漫画です。
ただ、著者の作品が他社と違うのは皮肉めいたその視点。
主人公たちはただのアウトロー集団ではなく、
夢と言う絆で結ばれた家族。
コンピューターとマーケティングの中、“夢”“、“家族”“、“仲間”“や“情熱”などが死語になっていた時に、現実主義者の悪党たちの動機がロマンなのが面白い。
後半がかなり駆け足になり、肝心なサーカス団再結成が残り数ページで終わってしまったのが残念ですが、父親の
「いいかみんな忘れちゃならねえ!!これがスリルだ!!」の台詞が印象に残っています。
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テーマ:漫画 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2019/09/01(日) 00:47:39|
- 狩撫麻礼作品
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