中村真理子著「レッド・リン 赤い梅と蒼い梅」第1~6巻【完】(講談社/BE LOVE KC/2010~2013年刊)を読む。


和歌山の老舗梅干し会社「ウメトウ」の娘・高遠林。
見るもの聞くものを何でも書き写す癖を持ち、語学も堪能。
まさに地元が生んだ奇才・南方熊楠を彷彿とさせる彼女は、会社には深く関わらずに梅林にこもって梅の観察を続ける日々。
そこに現れた台湾出身の兄嫁メイファ。
彼女が嫁いでから「ウメトウ」では謎めく出来事が続く。
メイファの行動に悪意を感じた林は、メイファの心の中を観察し始める!!★★★★★★・・・・
読んだ事のある著者の作品は「マッチョテイスト」「唇にブルースハープ」「淑女たち」「days 時の満ちる」「天使派リョウ」「ギルティ」「クロサワ/炎の映画監督・黒澤明伝」など、大半が狩撫作品ですが、ほぼ全部が原作付きの作品です。
したがって著者自身の作品を読むのは初めてかもしれません。
著者の故郷である和歌山を舞台とした、老舗の梅干し会社とその社長一族を中心として物語は進みます。
主人公と謎の兄嫁との女同士の熱き戦いは、日本と台湾の国境を越え、両者の因縁は時代をも遡り、回を追うごとにスケールを増していきます。
流石に劇画村塾出身の著者とあって個々のキャラが立ちまくり、少女漫画とは思えない武骨なストーリーと画風は以前に読んでいた男性作家の原作付きの作品を彷彿させます。
ラストではイマイチしっくりと来ない部分がありましたが、逆転に次ぐ逆転劇は最後まで読む側を飽きさせません。
面白かったです。
ただ、私としては「梅干し」や「梅」に対する愛情や情熱が今一つ伝わって来なかったのと、もっとドロッとした因縁や恨みを勝手に期待してしまっていたので、若干の物足りなさは残りました。
それと・・・
前半に登場した南方熊楠・・・・必要だったでしょうか?
その名前や半生は物語に関わっていたのは判りますが、ユーレイでの登場はどうかと・・・・
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テーマ:漫画 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2014/07/30(水) 00:51:49|
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