細野不二彦著 「ヤミの乱破」 第1・2巻(講談社/イブニングKCDX/2005年刊)を読む。
昭和22年、戦後間もない日本。
戦時中“ドーベルマン”の異名を馳せた日本軍の工作員桐三五は、自分の生きる道を探し、横浜に舞い戻る。
そこで元上官の猿田征四郎に出会った彼は、まだ日本の中では見えざる戦争が続いていることを知らされ、彼とともに再び闇の世界に戻ることを決意する。
最強の乱破が、焦土の上を駆け抜けるハードボイルドスパイ活劇。
すごい漫画家だと思う。
少年誌から青年誌まで幅広く活躍している著者の作品群は特定のジャンルを持たない。
ギャグからシリアス、題材も音楽、美術、料理にホームドラマやスポ根ものなど多彩。
また、細い線で描かれる人物やモノ・風景は洗礼され美しく、どんなストーリーにもマッチする。
おまけに、その作品全てにハズレが無い。
本当に漫画家の職人であり天才であると思う。
そんな著者が描き出す戦後の日本を舞台としたスパイ活劇。
面白くないわけが無い。
ただのスパイモノとは違い、実在した人物を登場させ戦後の情景をリアルに描写しながらも、一方では赤化戦士と言うサイボーグが出てきたり(やりすぎ?)と、読む側を飽きさせない展開が用意されている。
私は2巻の山崎晃嗣と平岡公威(三島由紀夫)のくだりが興味深かった。
読む人の好き嫌いが分かれる作品だと思うが、今後の展開を期待したい。
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テーマ:漫画 - ジャンル:アニメ・コミック
- 2007/11/13(火) 00:15:59|
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