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漫画荒雑録

漫画の記録と感想

石川賢著 「極道兵器」 第1~3巻(完)

石川賢著「極道兵器」第1~3巻【完】(リイド社/SPコミックス/1997~1999年刊)を読む。

極道兵器1-1 極道兵器2-1 極道兵器3-1

日本を狙うアメリカンマフィアの凶暴サイボーグとの戦闘で重傷を負った狂暴ヤクザ・岩鬼将造は、内閣特務捜査官・赤尾虎彦の手で前進に武器を埋め込まれ、無敵の極道兵器として蘇った!(2巻)

ますます激化するアメリカンマフィアとの抗争は、宇宙へと広がり遂には衛星兵器まで登場することに。

それと同時に将造と重介との因縁の対決も終焉へと・・・!

真の極道兵器はどちらか!?(3巻)



私としてはそれほど印象に残る石川作品では無かったのだが・・・

映画の後で監督や永井先生が語っていたお話しがとても気になって読みたくなった。

実家に帰って物置をあさるのも面倒くさいので、古本屋でセット本を購入。

(こんな事だから本が減らないのだ)

読む。

処々の事情で物語が中途半端に終わってはいるものの、石川テイストを満喫できるハチャメチャなアクション漫画。

この狂犬と仇名される主人公の過激で馬鹿な暴れっぷりが本作最大の魅力であり、ある意味ではこれほど石川漫画らしい石川漫画もないだろう。

面白い事は面白いのだ。

しかし同時に私が感じてしまうのは、このストレートに疾走する物語の物足りなさ。

それは、“極道”にしても“兵器”にしてもその設定の浅さでもあり、

物語としての“動”から“動”ばかりの展開に対する飽きでもあり、

圧倒的な主人公以外の人物の魅力の無さでもある。

作中で主人公が語る台詞がある。

「社会の正しい姿とは、目に見える健全さと、目に見える不健全さとがちゃんと、ここにあることだ!
不健全さがない社会は、健全さも目立たない!!」

本作もその通りだと思う。

健全なキャラがいないと不健全なキャラが生きない。

滅茶苦茶な“動”が面白いのは、地に足が付いた“静”が途中であるからだ。

主人公の極道としての仁義が見えなければ、敵も味方もただの殺人兵器である。

仁義と狂気を描いたと言う点では収録されている読み切り「真・極道兵器」の方が私は面白かった。

極道兵器20110325

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